日食2012観測記録

2012年5月21日(月)06:26〜09:12

九州南部から関東にかけて金環日食、岩手では食分0.9程度の部分日食が見られました。


観測地:八幡平市焼走り国際交流村(北緯39度52分、東経141度02分)

食の開始:06時26分53秒  食の最大:07時43分36秒(食分0.898)  食の終了:09時12分18秒

※撮影用望遠鏡 : タカハシMT160 直接焦点F6.3    カメラ : PENTAX K10D

フィルター : (株)マゼラン アストロソーラー太陽フィルターシート

 
ハ イ ラ イ ト 写 真


食分により右上から左下へ(中央が最大食分の「カチューシャ日食」)
 


10分間隔で並べて編集したシート
 

食の前後を含み固定撮影した、日食全過程。前景は日の出前に撮影したものを合成
日の出直後(04:39撮影)は雲が広がっていましたが、日が昇るにつれて雲が取れ終始快晴に恵まれました。
当日の観測・撮影機材。望遠鏡とカメラのフィルターシートは、段ボールの手作りフレームにおさまっています。
 
 
日食中に見られる現象

観測風景は、明るさの違いが分かりやすくなるように、短い露出(ISO400、F5.6、1/1500)で撮影しました。
木漏れ日とピンホールによる投影は、食分がほぼ最大の時間に撮影。
 
 
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日食2009観測記録

2009年7月22日(水)09:30〜12:30
 
岩手県内は曇天・雨天につき観測できない状況でたいへん残念でした。

そこで、晴れの予報が出ていた場所まで遠征して観測してきました。

観測地:豊田湖畔公園(山口県下関市豊田町)


〜 北緯 34°14′24″   東経 131°07′11″ 〜

食の開始:09時38分39秒   食の最大:10時56分56秒(食分0.882)   終了:12時18分19秒

※撮影用望遠鏡 : タカハシMT160 直接焦点F6.3    カメラ : PENTAX K10D (ISO400)   

フィルター : (株)マゼラン アストロソーラー太陽フィルターシート

 
       
ハ イ ラ イ ト 写 真
       
日食中に見られる現象
       
       
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日食2009観測行

〜予期せぬ出来事、そのてんまつ〜

 
7月はじめには、「野村胡堂・あらえびす記念館」(岩手県紫波郡紫波町彦部)のご厚意により、

記念館駐車場をお借りして観測する計画を立てたものの、前日までに出された、22日当日の天気予報を見ると、

日(曜) 盛岡の天気予報 降水確率 観測候補地 (予報では晴れそうな地域)
17(金) 曇り 30% 神奈川県北部(相模湖周辺?)
18(土) 曇り一時雨 40% 静岡県北部(富士宮市朝霧高原?)
19(日) 曇りのち雨 70% 栃木県北部(日光市霧降高原?)
20(月) 曇り 50% 長野県南部(どこがいいんだろう・・・)
21(火) 曇りのち晴れ 30% 福岡県北部または山口県西部

梅雨時の天気予報は難しい(当てにならない?)とはよく言われるものの、

これほど毎日(朝と夕方でさえ)予報が変わると、もはやあきれてしまって、まったく信用できない。

最終的には、21日(火)朝の、各メディアによる予報を総合判断した結果、「山口県下関市」との決断に至った。

21日06:55自宅を出発。20:36、広島県福山SA。出発から1251.8km。目的地まであと250km。
     

予期せぬ出来事 〜その1〜

後日ニュースや新聞で詳細を知ることとなったが、この日、山口県防府市を中心とした集中豪雨により
死者行方不明者17人を出す大災害となった。

山陽自動車道・中国自動車道が土砂災害のため一部不通・通行止になり、目的ICの100km手前で高速をおりることに。

そういえば、すべてのPA・SAには大型車があふれかえり、入り口・出口までずらりと並んで停車していた。
復旧を待つのだろうか、走行をあきらめたのだろうか。

国道2号線に入るも、九州方面を目指す大型車中心に真夜中の大渋滞。
立ち往生する車(ガス欠?)や事故車もあり、01:00までの2時間で進んだ距離がわずか15km。

判断を迫られたその時、突然車が流れ始めて一安心。
渋滞とは誠に不思議な現象である。あれほどの数の車はどこに消えたのか。

 

予期せぬ出来事 〜その2〜

初めて訪れる地であり、観測場所の選定は勘のみ。地図で見つけた「湖畔公園」に魅かれて観測地に決定。

目的地の豊田湖(ダム湖)手前25km、無情にも「通行止」の看板が。
ここでも豪雨による土砂災害の爪痕が。別ルートを経由して到着するも時刻は22日02:45。

当初予定(21日23:30着)より約3時間の遅れ。自宅を出てから20時間、1537.6km。

 

予期せぬ出来事 〜その3〜

観測用の望遠鏡設置・調整のためには星(北極星)が見えていなければならない。

午前3時といえば、岩手ではそろそろ明るくなる時刻でとうてい調整は不可能とあきらめたが・・・・真っ暗。

地理的関係で現地の日の出は05:18、岩手より約1時間遅いことに気づく。

到着直後から周囲の霧が晴れて星が見え始め、北極星も5分ほどながら雲間から顔を出してくれた。

予定では、観測開始前に一眠りのはずだったが、調整終了が04:30になり、迷ったすえに、睡眠はおあずけ。
 

いざ、観測!

夜明け前、北の空は雲がかかっていたものの、南には木星、東には金星が煌々と輝く晴天。

太陽が昇り始めると、見る間に全天が雲に覆われ、周囲の山々からはもうもうと霧が立ち上る。

太陽高度が高くなり、気温上昇とともに雲・霧は晴れるものと信じて待機。

予想通り、9時頃から文字どおりの雲散霧消。09:00〜12:30 何度か厚い雲に太陽光線が遮られる状況ながらも、観測に励む。


湖畔公園は、キャンプ場や遊戯施設を備えた観光地であったが、平日ということもあり、人の出入りはほとんどない。
 

予期せぬ出来事 〜その4〜

訪問客@

「公園の管理人?」
突然断りもなしに駐車場に機材を広げたものだから、何か言われるかと思いヒヤヒヤしたが、
「岩手からよう来んさった」などと、優しい言葉をかけてくれては、望遠鏡を覗いて感心しきり。

訪問客A

「パトロール中の山口県警の警官」
職務質問か?と思い緊張するも、「どんな具合かね?」と声をかけてくれて、
日食グラスで観察したり、軽い世間話をしてパトロールに戻っていった。

訪問客B

「老夫婦」
通りすがりに立ち寄ってくれた。
望遠鏡、日食グラスで熱心に見てくれて、ピンホールの光や、木漏れ日を見ては感心し、
「いいもん見せてくれて、ありがとさんです」とのことばを残して立ち去った。


観測が終了し、片付けが済んだとたん、強烈な睡魔に襲われ、その場で車中で仮眠。

4時間後、冷たい水で顔を洗って・・・さぁ、盛岡に帰ろう! 

最寄りの美祢ICに向け17:50出発。 途中車中泊を挟み、7月23日22:35帰宅。
 
往路 : 東北道→磐越道→北陸道→名神道→山陽道 (→国道2号)      走行距離1537.6km 
復路 : 山陽道→中国道→名神道→中央道→関越道→磐越道→東北道   走行距離1767.5km
 

総走行距離 3305.1km   総運転時間 約41時間   総給油量 300.01g

以上、1泊3日の弾丸ジャーニーの一部始終でした。