金 星 観 測 の 記 録
       
225日ほどで公転、ただし自転周期は243日で、自転にかかる時間の方が長い惑星です。
半径も体積も地球よりわずかに小さいだけで、地球の「兄弟惑星」とも称されますが、
分厚い大気に覆われ、猛烈な温室効果により、表面温度は500度近くになる灼熱地獄です。
地球の内側を周回しているため、夕方と朝方に見ることができ、それぞれ「宵の明星」「明けの明星」と呼ばれます。
地球との位置関係により、その形と大きさを大きく変化させます。
 
日面経過(太陽面通過)

2004年以来8年ぶりに見られた、金星の日面経過です。
それ以前に日本で見られたのは、1874(明治7)年で、次に見られるのは、105年後の2117年12月11日です。
文字どおり「世紀の天文現象」と言えるでしょう。
金星が太陽面を通過している間は、黒く丸い点が表面上を動いていくように見えます。

太陽の視直径は約30分(1分は1度の1/60)、金星のそれは約1分ですので、見かけの大きさはほぼ1/30です
人間の視力による分解能が1分と言われますので、金星は肉眼でギリギリ見える大きさです。
日食眼鏡では、太陽面上に小さなほくろのように見ることができました。

終始雲が流れ、朝から「やませ」が押し寄せ、午後からは台風3号の影響も出始めるなど、
決して好条件での観測ではありませんでしたが、何とか全経過を観測・撮影することができました。

観測地:黒崎園地(岩手県普代村)



食の最大(10:29)を中心とした、前後1時間ごとのハイライト、および全経過の比較暗画像
下は、通過の始まり(第2接触前後)と終わり(第3接触前後)
 
動画(YouTube)を見る
 
       
2010年の大きさと形の変化
 
タカハシMT−160 PENTAX3.8mm(260倍) PENTAX K10D ISO800
観測地:紫波町彦部、滝沢村相の沢、雫石町網張など
       
       
       
他天体との接近
 


すばる(M45プレアデス星団)との接近 2012年4月4日(最接近は4月3日)
 
 

2010年5月16日に起きた、金星と月(月齢2.5)との接近の様子で、最接近は20:24頃。
地球照(地球に反射した光が月を照らし出す現象)を写すために、露出は2〜3秒です。
そのため、金星は円盤状ではなく、恒星状の光となって写っています。
金星を@「形と大きさ」のように、円盤状(今後、半月状〜三日月状)に写すためには、
露出は数分の1〜数十分の1秒程度が適切です。
この日、東南アジアでは、金星食となりましたが、日本では接近(0.5度程度)が見られました。

観測地:相の沢(滝沢村)


 


天王星との大接近:光度差約1万倍
 
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水 星 観 測 の 記 録
       
太陽系の最も内側を回る惑星で、地球の月より少し大きいくらいです。
公転周期は約88日、自転周期は約59日です。
太陽から受ける光や熱は地球の7倍で、大気がないため昼の表面温度は約400度、夜には-160度になります。
太陽から最も離れた位置にある時(最大離角)が観望の好機ですが、それでも高度は20度程度です。
       
夜明け前の金星(上矢印、-4.4等)と水星(下矢印、-0.2等) 
2011年1月8日05:47(9日に同時に西方最大離角となる)
金星の下方、赤い星はさそり座の1等星アンタレス(+0.96等)
水星 2011年1月8日(大気の影響で赤っぽい)
夕空の岩手山と水星(矢印の上:−0.8等) 2014年1月27日 17:37