彗 星 の 記 憶

彗星(コメット)は、太陽系内の小天体で、氷やチリでできており、
太陽に近づいたときにその構成物質を吹き出して「尾」を生じる姿から、「ほうき星」とも呼ばれます。

太陽を回る周期は、3年前後と短いものから、
長いものでは数百万年にもおよぶものもあり、一度太陽に近づき二度と戻らないものも数多くあります。

彗星の元は、海王星軌道外の「カイパーベルト」や太陽系の果てにある「オールトの雲」に無数に存在し、
何らかの影響により、太陽に引かれる軌道に入って近づいてきます。
毎年多くの新彗星が発見されています。

 
 
 
ネオワイズ彗星(C/2020 F3) 

赤外線観測衛星NEOWISEにより発見。2020年唯一の肉眼彗星(3等級)となった。
 
 
ラブジョイ彗星(C/2014 Q2) 

2014年8月、オーストラリアのラブジョイ氏により発見され、2015年1月7日に地球に最接近し4等級まで明るくなった。 
 
 
アイソン彗星(C/2012 S1)

国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network, ISON)にちなんで命名された「サン・グレーザー彗星」で、
「世紀の大彗星」として、−10等級以上で日中の空にも見えることも予想されたが、当初ほどの増光はなく、
2013年11月29日の近日点通過時に崩壊・蒸発した。
 
 
 
ラブジョイ彗星(C/2013 R1) 

2013年9月、オーストラリアのラブジョイ氏により発見され、11月20日に地球に最接近し4等級まで明るくなった。
 
 
パンスターズ彗星(C/2011 L4)

全天捜索望遠鏡システム(PanSTARRS : Panoramic Survey Telescope And Rapid Response System)により発見された彗星で、
南天から接近し、2013年3月10日に近日点を通過し北天で見え始めた
地球との位置関係により、扇形の広がりとみごとな「アンチテイル」を見せた
 
       
       
リニア彗星(C/2012 K5)

2012年12月
2012年5月に発見された新彗星で、12月末に近日点通過し、7等台まで明るくなった
12月23日 05:15      12月24日 19:45〜23:15(30分ごと)        12月25日 05:38〜06:00(朝の薄明)     
M36に向かって移動中(1月3日19:00〜23:00) 最接近直前(右下はM38)4日03:30 最接近:4日04:00
 
ギャラッド彗星(C/2009 P1)

2012年2月
オーストラリアのギャラッド氏が2009年に発見。2012年には6等台になり、2月下旬からは周極星となった
 
M92(ヘルクレス座の球状星団)との接近:2月3日(左)と4日(右) 拡大画像
           
           
シュワスマン・ワハマン第3彗星
73P/Schwassmann-Wachmann


 2006年5月
周期5.36年で16年ごとに地球に接近
核が分裂しており、将来的には消滅
マックノート彗星
C/2009 R1


2010年6月
マックノート氏が2009年に発見
氏により発見された彗星は数十個に上る
ハートレイ第2彗星
103P/Hartley


2010年10月
1936年、ハートレイ氏が発見
約6.5年周期で太陽に接近
           
           
池谷・張(イケヤ・チャン)彗星
C/2002 C1


2002年4月
2002年2月に発見された彗星で、
366年という長周期をもつ
ニート彗星
C/2001 C1


2004年5月
地球近傍小惑星サーベイにより
2001年に発見。周期は約350万年
マックホルツ彗星
C/2004 Q2


2005年1月
2004年にマックホルツ氏が発見
周期約12万年。「すばる」との接近
           
           
ヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)

1995年に発見され、1997年には−1等級まで明るくなり、数ヶ月間にわたって肉眼で観測できる大彗星に
公転周期は約2500年で、白い尾(ダスト)と青い尾(イオン)がくっきりと識別できた