秋・冬の星座と神話
       
秋の代表的な星座
冬の代表的な星座
カシオペア座  やぎ座  みずがめ座  ペガスス座

アンドロメダ座  うお座  ペルセウス座  おひつじ座
ぎょしゃ座  おうし座  オリオン座  ふたご座

こいぬ座   おおいぬ座
       

このような星空が見えるのは

10月中旬0時ごろ/11月中旬22時ごろ/12月中旬20時ごろ/1月中旬18時ごろ

各星座のデータ欄は、@学名(略名)、A20時に南中(正中)する時期、B含まれる一等星(ない場合は「−」) の順。


カ シ オ ペ ア 座 や   ぎ   座
@ Cassiopeia(Cas)  A 12月上旬  B − @ Capricornus(Cap)  A 10月上旬  B −

古代エチオピアの王ケフェウスとその妃カシオペア、
美しい一人娘のアンドロメダ姫、
そして、苦難の姫を救った勇者ペルセウス。

物語(「アンドロメダ」参照)の登場人物がそろって星座に上げられた。
カシオペアは、その舌禍ゆえ、
一晩中休むことなく北天を回り続ける運命に。

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山羊の頭をした、羊と羊飼いの神であるパンの物語。
葦笛の名手パンが、ある日、歌ったり踊ったりして
周囲を喜ばせていた席に、怪物テュホンが乱入。

パンはあわてて、魚に変身して川に飛び込んで逃げたが、
水につかったしっぽだけが魚で、
頭は山羊のままという間抜けな姿に。

おもしろがったゼウスが、出来事の記念にと星座にしたもの。

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み ず が め 座 ペ ガ ス ス 座
@ Aquarius(Aqr)  A 10月下旬  B − @ Pegasus(Peg)  A 10月下旬  B −

金色に輝く体をもつ美少年ガニュメデス。

その美しい姿が気に入ったゼウスは、ある日、
鷲に変身してガニュメデスをさらって天界に連れ帰り、
酒宴の席でのお酌係とした。

(「わし」の項も参照)
 

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勇士ペルセウスが、女怪メドゥサを退治し、
その首を切り落としたときにほとばしり出た血が岩にしみ、
そこからいななき飛び出してきた天馬。

雪のように白く、銀色の翼を持ち、自由に大空を飛び回る。
ペルセウスとともにアンドロメダ姫を助けたあとは、
ベレロフォーンという勇敢な若者とともに怪物退治に出かけるが、
武勇におごったベレロフォーンが天界に駆け上ろうとしたときに、
ゼウスがアブを放ちペガススの脇腹を刺させる。

驚いたペガススはベレロフォーンを振り落とし、
そのまま天に駆け上り星座となった。

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ア ン ド ロ メ ダ 座 う   お   座
@ Andromeda(And)  A 11月下旬  B − @ Pisces(Psc)  A 11月下旬  B −  (星座中の輝星は木星)

「アンドロメダ」とは、古代エチオピア王(ケフウス)と、
その妃(カシオペア)の間に生まれた美しい王女の名前。
カシオペアは、自分と娘の美しさを自慢するあまり、
「私たちは海の妖精やネレイド(海神の孫娘たち)よりも美しい」と。

これを耳にした娘たちが、
祖父である海神(ポセイドン)に告げ口をしたことにより、
神は人食い海獣の大くじらを送り込んで嫌がらせ。
民衆は苦難の日々を送ることに。

王ケフェウスは、この苦しみの原因がカシオペアの傲慢さであり、
災厄を除くにはアンドロメダを生け贄にするしかないと神に告げられる。
お告げのことを聞いた民衆はアンドロメダに鎖をつけ、
海岸の岩にしばりつけて放置。
あわれ、姫が大くじらに襲われそうになった刹那、
空から舞いおりてきたのが天馬ペガサスに乗った勇士ペルセウス。

怪物メドゥーサ退治の帰途、姫の姿を目にし、助けに来たものであった。
見る者すべてを石に変えるメドゥーサの首で大くじらを退治し、姫を救。
王と王妃の出迎えを受けた後、
ペルセウスはアンドロメダを花嫁に迎え、幸せに暮らしたとか。

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愛と美の女神アフロディーテとその息子エロスは、
ある日川のほとりを散歩中。

そこに突然怪物が現れ、驚いた親子は川に飛び込み魚に変身。
一目散に逃げ出した。

これを見ていた女神アテナが、おもしろいと思って、
二匹の魚をリボンで結んだ姿を天に上げ、星座とした。

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ペ ル セ ウ ス 座 お ひ つ じ 座
@ Perseus(Per)  A 1月上旬  B − @ Aries(Ari)  A 12月下旬  B −

勇士ペルセウスは、王の命で女怪メドゥサ退治に出かける。

メドゥサは髪の一本一本が蛇で、
その顔を見た者は恐怖のあまり石になってしまう。

女神アテナから輝く楯を受け取ったペルセウスは、
その楯にメドゥサの姿を映して後ろ向きに近づき、
首をはねて革袋に入れる。

メドゥサの首の切り口からほとばしり出た血が岩にしみこみ、
そこから天馬ペガススが飛び出す。

帰途、お化け鯨に襲われようとしていたアンドロメダ姫を助け、
結婚後多くの子をもうけるが、
英雄ヘラクレスはペルセウスの曾孫にあたる。

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金色に輝く牡羊の皮衣。

ギリシャの地方国家テッサリアの王子プリクソスと王女ヘレーは、
継母のイーノに嫌われていた。

 ある年、イーノは、麦の不作の原因はプリクソスとヘレーにあるとし、
生け贄にするよう民衆に言いふらした。

押し寄せる民衆に囲まれた二人の運命をあわれに思ったゼウスが、
金色に輝く牡羊を送り、二人を救出した。

助けられたプリクソスは、彼の地で幸せに暮らし、
救ってくれた羊の皮衣を大切に保存した。

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ぎ ょ し ゃ 座 お う し 座
@ Auriga(Aur)  A 2月中旬  B カペラ(+0.08等) @ Taurus(Tau)  A 1月下旬  B アルデバラン(+0.87等)

女神アテナは、赤ちゃんが生まれるとすぐ箱に入れ、
アテナ王の娘に預ける。

箱の中には、女神の使いの蛇に巻きつかれてニコニコ笑う赤ちゃんが。
これがのちのアテネ四代目の王エリクトニウス。

生まれつき足が不自由だったため、馬にひかせる四輪馬車を作り、
勇ましく戦場を駆けめぐった。

その功績により星座にあげられた。

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大神ゼウスはある日、真っ白な牛に変身して海辺に下りた。
そこでは地中海に面するフェニキアの王女、エウロパ姫が散策中。

牛を目にした姫が、おもしろがってその背にまたがるやいなや、
牛は海面を走り姫を連れ去った。

ゼウスは姫を花嫁に迎え、三人の子供をもうけた。
地中海を渡って、牛に乗った姫が上陸したのが現在のヨーロッパ。

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オ リ オ ン 座 ふ た ご 座
@ Orion(Ori)  A 2月上旬  
B ベテルギウス(+0.45等)、リゲル(+0.18等)
@ Gemini(Gem)  A 3月上旬  B ポルックス(+1.16等)

月の狩りの女神アルテミスに愛された狩人オリオン。
それをこころよく思わないのが、女神の兄で日の神アポロン。

ある日、頭だけ出して海中を歩くオリオンの姿を見つけたアポロンは、
オリオンに金色の光を当てる。

「どんな弓の名人でも、あの光っているものにはあてられまい」と、
アルテミスをそそのかす。

アルテミスの放った矢は光を射抜いたが、
浜辺に打ち上げられたのは、あわれオリオン。 

オリオンを星座にしてくれるようにと、
アルテミスがゼウスに願い、聞き届けられた。

(「さそり」の項も参照)

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スパルタ王妃レダが生んだ双子の兄弟。
兄のカストルは人間で、乗馬の達人。
弟のポルックスはゼウスの血を引き不死身の体をもつ
ボクシングの名手。

いとこたちと牛の群れを捕まえに行ったある日、
いとこたちは兄弟をだまして牛を横取りに。

牛を奪い返しに来たカストルは、いとこたちに弓で射られて命を落とす。

ポルックスはその仇を討ち、自分も死んで兄の元へ行こうとするが、
不死身の体では死ぬこともできない。

死を願い出たポルックスの望みを聞き入れたゼウスは、
兄弟そろって星座にした。


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こ い ぬ 座 お お い ぬ 座
@ Canis Minor(CMi)  A 3月中旬  B プロキオン(+0.40等) @ Canis Major(CMa)  A 2月下旬  B シリウス(−1.44等)

狩人アクタイオンは、多くの犬を連れて鹿狩りの最中。

森の中で、泉に入ろうとしている、
月と狩りの女神アルテミスの姿を見てしまう。

驚いた女神は、呪いの言葉とともに、
アクタイオンの顔にひとすくいの水を浴びせかける。
すると、アクタイオンはたちまち鹿に姿を変えてしまう。

猟犬たちは、変身した主人と知らず、
その鹿に飛びかかりかみ殺してしまう。
その猟犬の一匹である、メランポスが星座となったもの。

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レラプスは、月と狩りの女神アルテミスの飼い犬。

名犬レラプスは、国内を荒らし回る大キツネ退治にかり出される。
追うレラプス、逃げるキツネ。

双方が傷つけ合うことを恐れた大神ゼウスが二体とも石に変え、
レラプスを天に上げ星座とした。

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